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2004年6月28日発行
【オシャる技術】
第９号
「ロード・オブ・ザ・モデル２」
～前回のあらすじ～
「メンズノンノ専属モデル」という高き壁を目指すミズノンノ。
まつゆうさんから元メンズノンノモデルで現役俳優のＥ君を紹介してもらう。
しかし初対面で「頭が悪い」と言われるミズノンノ。
果たして生意気な若造と折り合えるのだろうか？
「モデルになる」
そう宣言したミズノンノだったが、現役モデルや俳優を前に、たじたじになってしまう。
しかし、終始低姿勢のトークによって食らいつき、この日、Ｅ君と渋谷で待ち合わせをすることに成功した。
（さらに、Ｅ君の事務所の人とお話して、名前の顔写真を公開させてもらうことに成功！）
北村栄基くん。
悔しいが確かにカッコイイ。
さらに、彼は最近ブログを始めたらしいのだ！
女の子必見だよ。
栄基くんのブログ（日記） → http://yaplog.jp/eiki/
栄基くんの友達でスタイリストの中山くん。外見もかなりファンキーだ。
正直、恐い。
この２人は小学生の時絶対にいじめっ子だったタイプだと直感した。
このままではマズい、
そこで、今回も…
まつゆうさーん。
保護者同伴――。
まつゆうさんは栄基くんを１５歳の時から知ってるらしいので安心なのだ。
まつゆうさん、栄基くん、中山くんと共に、メンズノンノの専属モデルになるための方法を模索したが、とにもかくにも
● 写真選考
を通過せねば話にならないという結論に。
そこで、その写真撮影のための服を栄基くんとＹ君に選んでもらうことになった。
栄基くんと中山くん御用達のお店。
【chimeraluxe】
渋谷は学生時代から一番遊びに来ていた街だけど、こんなところにこんなお店があったとは全くしらなかったなぁ・・・なんて思っていたところ、
ミズノンノくん。勝負しない？
勝負？
どっちがセンスの良い服選ぶか。
（こいつ、完全にオレのことナメてるな…）
やってやろうじゃねぇか！
ファッションバトル開始！
入念に服を選ぶミズノンノ。
「勝算アリ！」の表情である。
理に理を積み重ね、服を選ぶこと３０分。
ついに、ミズノンノのスタイリングが完成した。
ミズノンノが選んだ服は…
これだ！
「まずね、この靴底の茶色とＴシャツの茶色を合わせて・・・」
私がスタイリングの理屈を並べようとしたのだが…
服とかそれ以前に、
ミズノンノくんは「立ち方」ヘンだよね。
立ち方？
ちょっとポーズとってみてよ。
こ、こうですか？
バカにしてる？
す、すみません。
バカにしてるよね？
い、いえ、真剣ですが。
…。
立ち方を指導してもらうことに。
栄基くんと近づいたので少しドキッとした瞬間。
じゃぁ、ついでに表情も練習しとこうか。
『喜怒哀楽』の顔作ってみて。
「喜」
「怒」
「哀」
「楽」
ほとんど一緒じゃん。
栄基くん「もうやんなくていいから」
ていうかね、ミズノンノくんの表情は全部お笑い系なんだよね。
照れずに自信持ってやんなきゃ。
「そういう人生だったもので」
正直、痛いところを突かれてカチンと来た。しかし彼が言っていることは正しい。
どれだけブサイクだろうが、笑い系だろうが、「二枚目の表情」を持ってない男はピエロで終わるのだ。
今日から毎朝、鏡の前で表情の練習を義務付けることにした。
それでは、
栄基くんと中山くんのコンビの選んだ服は…
とりあえず着てみたところ
スタイリストの中山くんが
「違うなぁ」
と言って、新しい服を持ってきた。
違うなぁ。
違うなぁ。
違うなぁ。
お、こんな感じか？
さて、読者のみなさんもお気づきのことだろうが、私と中山くんとは服の選び方からして決定的に違う。
● 完成形を見て、変更する
一見当たり前のことのようだが、ハッとさせられた。
まず、私が普段「試着」する時、何を一番重視しているかというと、
サイズが合うかどうか
である。
服を見て、「あ、この柄カッコイイな」とか思って、試着をする時というのは、そのサイズを確かめることに重きを置いている。
しかし、中山くんの視点は違っていた。
それは、この服が、そもそも私のルックス、体型、その他もろもろの要素に「似合うか」を見続けていた。
少し違う例になるかもしれないが、「本を作る」時、企画があって、面白い仕掛けやコピーがあって、会議の時はそれが「面白い」とされていても、実際の「完成形」を見るとイメージと全然違ってボツになるということがある。また、逆にそういった「作っては捨てる」という行為を繰り返したモノがより素晴らしい作品となる。
これはきっとモノ作りの基本なのだろうけど、
中山くんが私に次から次へと服を着せていき、そして全体を見ては首をかしげるという行為は、それに近いものを感じた。
自分にファッションのセンスがあろうとなかろうと、
その服が「好き」という視点はあっても、自分に「似合うか」という視点を持っている人は意外に少ないと思う。
カッコイイ服があって、それを着れば誰でもカッコ良くなれるかといえばそうではなく、あくまで
「似合うかどうか」
という決定的な問題がある。
「あなたの好きな色は何ですか？」
この問いには、誰もが答えられるだろうが
「あなたに似合う色は何ですか？」
という問いに答えられる人はほとんどいないと思う。
そういえば、オシャる技術２号で登場してもらったショップの店員さんも言っていた。
「みんな家を出る前に全身鏡で一度自分を見て欲しい。それでそのパンツにその靴が合ってるか、その日の自分にその服が似合っているか、それを見ない人が多すぎる」
ファッションに重要なのは、この俯瞰された視点なのだ。
さて。
こうして私の服が決まった。
ウィンドウの中に映りこむミズノンノ。
ファッションモデルになる日も近い！？
次回はついに、写真撮影である！
（つづく）
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 「好き」ではなくて「似合うかどうか」という俯瞰した視点を持とう。 |
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次号、ミズノンノ最大のウィークポイントにメスが！ 果たしてミズノンノはモデルという肩書きを手に入れられるのか！？ ついに、モデル編完結へ。 |