この腹立たしさをどこまで文章で表現できるのかいささか自信がないのですが、
とりあえず頑張ってみようと思います。
同居人のSくんに関してなんですけど。
どうも最近彼女とケンカしているらしくて、
ずっと電話で話してたあと
(そこで何か深刻な話をしているような雰囲気だけが伝わってきました)
顔面蒼白で死にそうな顔して僕の部屋に来て開口一番
「なあケイヤ、俺どうしたらいい?」
完全に混乱してるのです。
どうしたらいいもなにも、僕はなにも知らされていないのです。
「何か…あったの?」
と一応は聞いてみるのですが、しかし僕の声はSくんの耳を素通りしているようで、
「なあケイヤ、俺どうしたらいい?」
と壊れた玩具みたいに同じセリフを繰り返し繰り返し言うのでした。
まあこれが普通の時間帯だったら僕も相談に乗るところですが、
時計を見ると深夜2:00。
僕はすでにベッドの中なのです。
たたき起こされて、
「なあ、どうしたらいい?」
をひたすら連呼される僕の身としては、いかに日頃からお世話になっているSくんといえど
「勝手にして」
とそうなるわけです。
しかしSくんはしばらく僕の部屋でつっ立っていたのですが、
ふとある瞬間。
「俺、やっぱ彼女の家行ってくるわ…」
と、夢遊病者のように僕の部屋を出ていったのでありました。
しばらくすると、玄関の方で扉が開く音がしましたので、彼はタクシーで彼女の家にでも向かったのでしょう。
家には誰もいなくなりました。
やれやれこれで安心して寝られるわ、そう思って布団をかぶったのですが、
寝てたところをたたき起こされたものですから、
なかなか寝付けなくてですね。
なんなら喉も渇いてきたなあと、水でも飲もうと起き上がり、部屋の扉を開け外に出たのです。
そしたら…
めっちゃ香水臭いんですよ。
香水つけた残り香が廊下に充満してるのです。
さっきまで顔面蒼白で死にそうな顔して、着てる服もなんだか取り乱してて、どうしよう、どうしようってずっと泣きそうな顔してた男が彼女の家行く前に
何を冷静に香水つけとんねんと。
何を備えとんねんと。
それは、いわば、おかんの厚化粧みたいなキモさであり、
しかし、この怒りをぶつける相手は目の前におらず、
「残り香」という形式でもって僕に対峙してきたのが
もう腹立たしくて腹立たしくて。
僕は本気でSくんの持っている香水を全部叩き割ってやろうと思ったのでした。
しかし、
これはまだ悲劇の序章に過ぎなかったのです。
苛立った僕は、
「くせえ、くせえ」と言いながらSくんの部屋に入りました。
基本的に僕たちは別部屋になっていてそれぞれの部屋に入ることはありませんが、
特にSくんの部屋は汚いので、僕がSくんの部屋に入るということはほとんどありません。
DVDを見るときなども基本的には僕の部屋で見ます。
さて、香水を叩き割ってやろうと、少なくともこの香水のブランドくらい知らないと
なんでかわからないけど俺の腹の虫がおさまらねえと、Sくんの部屋に入ったのでありますが
そこでふと、あるものに視線を奪われました。
それは、写真でした。
ちょうど先日Sくんが彼女とドバイに旅行に行ったということを聞いていまして
(みなさん、ドバイですよ。あのセレブの行くドバイです。僕のような庶民には一生縁のないような土地です)
その写真なのだろうと思い、
ただ、普段であれば、これは自己弁護するわけではないのですが、あまり人のプライベートに立ち入らないタイプなので
そっとしておくのですが、このときばかりは腹が立っていたので、写真を盗み見てやったところ、
これがとんでもない写真を発見してしまったのです。
まあ結論から先に言ってしまえばその写真が今から公開されることになるのですが、
そして、その写真を公開するということは平たく言うと犯罪なのですが
Sくんが僕を訴えたらもう、これは僕の敗訴は確定しておるのですが、
そして、Sくんが現在、彼女と何を揉めているのかも皆目見当もつかない状態であり、そんなエマージェンシーにおいて、この写真を公開していくというこの行為。
これはSくんのマジギレが充分予想され、最悪のケースとして「この家出てけ」が考えられるのですが、
しかし、これらのどの要素も僕の感じたあの時の「残り香」の腹立ちを収める材料とはなり得ませんので、
結論的に、「GO」の判断をさせていただきます。
さて、しかし
その写真をご覧いただくまえに。
みなさんにはいくつかの情報をここで知っておいていただく必要があります。
これらの情報は、僕がSくんの同居人として、彼と彼女に関して知る少ない情報ではありますが、
しかしその情報を知らずして、決してこの写真の「愚かさ」は伝わらないと思われますので
まず、そのお話からしたいと思うのです。
さて、
今から私が伝える情報に関して、
この文章を読んでいるあなたは
「そ、そんなバカな…」
とあまりの衝撃にキーボードにつっぷすことになるかもしれませんが、
Sくんはどうも、彼女から
● 「うさぎちゃん」と呼ばれている
ようなのです。
いや、分かります。
あの男のどこが「うさぎちゃん」なんだ、と抗議したくなる気持ちは分かります。
なにより、その抗議団体の団長として先頭で「死ね!」と言いたいのは、私なのであります。
しかし、とにかく、Sくんは「うさぎちゃんと呼ばれている」この事実をまず踏まえていただきたい。
そして。
この「うさぎちゃん」であるSくんの浮かれぶりはそれはそれは醜いものでありました。
ある日のことでした。
僕が自室で仕事をしていると、いきなり扉が開き(僕はいつも部屋に入るときはノックしろと伝えているのですが)
無断で入ってきたかと思うと、携帯電話に向かって
「それやったら怒られるよ。さすがに怒られるよぅ」
その前にお前は俺に怒られるだろ、ってことなんですが、
僕のことなど視野に入っていないみたいで、ひたすら電話の主(彼女)と
「え、ほんとにやるの?ほんとにやるの?」
と会話をしており、そして一瞬覚悟を決めた表情をしたSくんは
「ぴょんぴょん!うさぎちゃん、ぴょんぴょん!」
と
絶叫しながら
僕の部屋を駆けずり回るという
愚行を
なんら恥らうことなく
やってのけたのです。
殺してやろうかと思いました。
さて、
それを踏まえた上で。
僕が見つけた写真を、
彼女とのドバイで収められた、この「愚」を
↓見ていただくことにしましょう。


愚の骨頂。
2006年09月01日 01:10