寝起きに、ヒラメくことが多いのです。
睡眠の間に脳内のシナプスとニューロンが結合と分離を繰り返し、今まで考えもつかなかったような組み合わせを作り出すことに起因するのかもしれませんが、私の場合、目覚めと同時に問題を解決するようなアイデアだったり、新しい企画をヒラメいていることが多くあります。
そして本日も、それは、ほぼ、寝起きと同時にやってまいりました。
基本的に私は目覚まし時計を用いる生活をしておりませんので、昼の3時ごろ「んあ…」というタイミングでのそりと起き、覆いかぶさっている布団と毛布を持ち上げるのですが、そこにあったのは、私のスウェットを隆起させ、小高い丘を作っている股間でありました。
朝立ち、というやつです。
この朝立ち、がとりわけ珍しかったわけではありません。朝立ちに関して話をしますれば、私は、一般的な健康な成人と同様、毎日のようにこれを経験しておりますし、このたび私がわざわざこうしてみなさんにお話をお伝えしているのは、この朝立ちが通常より奇妙な形をしていたとか、奇妙な動きをしたとかということではないのです。朝立ちは、今までと同じような、いわゆる朝立ちでありました。
しかし、いつもと違ったのは、そこに「ヒラメキ」が舞い降りたことでした。
今まで通りのありふれた朝立ちを見た私でありましたが、しかし今日という日に限って、脳内にビリビリと電気が走ったかと思うと、頭の中では様々な要素と要素が組み合わされ、シミュレーションされ、「ま、まさか…」というため息と共に、私はあることを確信したのでありました。
とどまるところつまり、私は、「勃起」に関して、ある発見をしてしまったのです。
いや、それを「発見」と呼ぶのは少し語弊があるかもしれません。
より直截的に言うのであれば、それは今まで人類が見落とし続けていた「盲点」そう、これは盲点であるのです。
また、人類が、この事実を見落とし続けてきた理由も私にはよく分かります。私自身、生まれてこのかた、この発想を持ち得たことはありませんでした。しかし、何の因果か、朝、起きぬけに隆起した股間を眺めたその瞬間、それは、真っ白なキャンパスに水を吹きかけると瞬時に現れる隠し画のように、その「盲点」がイメージとして姿を現したのでした。それはもしかしたら(こんなことを言うとおこがましく聞こえるかもしれませんが)物理学者や科学者たちが何年も何年も解けない問題を考え続け、しかし、ある日その解答が天啓のように現れる、そんな瞬間にも近いかもしれません。
つまりは、こういうことなのです。
仰向けになっている私の股間を隆起させているこの、一物。より分かりやすい言葉で表現するならば、チンポ、このチンポに関して、
「マッサージする」という発想を持った者はいないのではないか?
ということなのです。
―――私がこんなことを言うと、たぶん、こう反論される方がいらっしゃるでしょう。
「水野は何を言い出すんだ、チンポはそもそもマッサージするものだし、世の中には性感マッサージなんて名前の場所もあるくらいじゃないか」
確かにその通りです。
マッサージの中には、いわゆる「下の世話」をしてくれる場所もありますし、海外のSPAでは、そういった性感マッサージと同じ行為をする場合もあります。
しかし、私が言いたいのは、そうした行為があるからこそ、チンポがそうした行為に使われるからこそ、逆に、チンポをマッサージする、という発想を持ち得なかったのではないか、ということなのです。
つまり、ここで私が使っている「マッサージ」という言葉は、純粋に「コリをほぐす」という意味におけるマッサージなのです。
つまり、
人類の歴史は今まで、チンポに存在する、純粋なツボ、すなわち
● チンツボ
の存在を見落としてきたのではないか。
なぜなら、もし、勃起したチンポにツボがあったとしても、そのツボを刺激しているうちに、より分かりやすい快楽である射精に向かってしまい、チンポそものもを、勃起したチンポそのものを、たとえば「疲れをとる」「楽にする」という点において、つまり「ゆるい快楽」を追求する意味で、チンポを指圧した者はいないのではないか。となると、この「チンツボ」を解明したものは人類史上存在しない、という結論になります。
それが、男性のシンボルであり、象徴であったゆえに、客体化することができなかった。
体の一部として―――それは、たとえば「足の裏」のように――扱うことができなかったのではないか。
私は、10本の指先に力を込め、チンポの側背部をつまむようにして指圧しました。
そこにやましい思いはいっさいなく、純粋な、コリをほぐす意味での「揉み」。
ゆっくりと、それはまるでチンポを奏でる一陣の風のように、揉みを繰り返し、繰り返し行いました。
今までに、味わったことのない、感覚。
この時、私は確信しました。
やはり、人類は見落としていた。
チンツボ―――それは、人類が文明を持ってより5000年、誰にも発見されていなかった盲点だったのです。
私は、チンポに肘をあて、片側に寄せ、そのチンポを軸にして体を反対側に曲げるというストレッチをしてみました。
背骨の骨がポキポキと小気味良い音を立てました。
次に私は、勃起チンポの裏筋に両手を当て、お腹に押し付けるようにして、押さえつけました。
さらには、チンポを勃起する向きとは逆側(つまり、お尻側、ということです)に曲げ、付け根の筋を伸ばしました。
気付いたら外は暗くなりかけていました。
昼に起きて、外が暗くなるまでの間、私は勃起したチンポと戯れ続け、チンツボ指圧、チンツボ体操、という新しい発想が次から次へと生まれ、今日という日は、チンツボというvirgin soil(未開拓地)におけるパイオニアとして研究の第一歩を踏み出した記念すべき1日となりました。
ベストセラーが、書けそうです。
2006年02月10日 03:47